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はるはあけぼの ヨガDiary

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カルマ・ヨーガのひと~祖国の自由のために

「The Lady アウンサウン・スーチー 引き裂かれた愛」を観ました。
ネットでの予告篇では、『引き裂かれた家族の・・・』とナレーションが入っているのですが、
わたしは『カルマ・ヨーガの女性の物語』と受け取りました。
人生に与えられた役割を生きることを選んだ女性スーチーさんと、その家族。
家族の愛と絆に支えられて、それは強力なものとなっていくのですが、
夫や子供たちもまた、『ビルマ』を解放するための役割を生きるのです。

英国で暮らす普通の主婦だったスーチーさんは、
母親の病気の知らせに祖国に帰り、あっと言う間に政治家になっていくのです。
それは自ら選ぶとか、周りに勧められたから(乞われはするのですが)とかではなく、宿命。
そこに導かれていったとしか思えません。
家族の愛は個人的な愛ですが、祖国民の自由のためという大きな愛=コンパッションを選ぶのです。
ためらうスーチーさんを押し出すかのような夫の励まし。
二人の絆は『ビルマ』を介して、ずっと離れることはなかったのです。
物理的には引き裂かれていますが。

カルマ・ヨーガとは、自分個人の利得のために行う仕事ではありません。
行為の結果を自分が斟酌するのではなく、他者のため、そして神様への捧げ物として行う仕事です。
いつも「バガヴァッド・ギーター」の講義をして下さるスワミ・メダサーナンダ・ジによれば、
動物の中で最も利己的な生き物が人間だそうです。
私たちは、他者の助けなしには一日も生きてはいられません。
しかしそのことは忘れて、自分と自分の愛する家族のためだけに利益を得ようとするのが人間なのです。
だから、行為の結果を考えず果実を受け取ることなく、
他者に奉仕をすることが必要なのだと、スワミ・ジは言います。

原発問題や昨年の大震災の問題は片付いてはいませんが、
それでも日本は民主的だし平和です。
それゆえ、わたしたちはかなり利己的になっています。
利己的なことが当たり前、生まれた時から人より前に出て、他人よりえらくなろうとか、
人より良い果実を得ようとか、そんな教育を受けてきたのが現代の日本人だと思います。
生まれてきた真の意味、自分の人生における役割を考えることが、あるでしょうか?
ただ、目の前の利欲を得ることに突き動かされているうちに、老いて死が近づいて来るのです。

これは、外国の偉人伝ではなく、生まれてきたことの意味、生きることの役割を、問いかけてくる映画です。
そして、自宅軟禁されている政治家として見てきたスーチーさんの、女性としての苦悩や、
非暴力の精神、武力に屈しない精神の強さが伝わってきます。


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by haru-ha-akebono | 2012-08-24 00:24 | インテグラル・ヨーガ