まだ、ハートの中心に、余韻がずっと残っています。
今日の午後、カフェ・ひねもすのたりのクリスマスコンサートに行って来ました。
高橋美千子さんの歌と、金子浩さんのリュート演奏によるユニットです。
11月に初めて、お二人のコンサートを聴いて、すっかりファンになりました。
いつもは4つのテーブルが置かれているカフェは、30人あまりの観客で満員御礼です。
ステージはなく、歌手も奏者も観客も一体となって、熱気に溢れていました。
高橋美千子さんはイタリヤ、フランスなどの歌曲のソロ歌手で、現在はパリ在住。
金子浩さんは、リュートの奏者です。
少し遅れてしまった私が入って行った時、「グリーン・スリーブス」が歌われていました。
大好きな曲です。
しっとりとした歌声が、会場の中を少しずつ暖めているように感じられます。
「愛の小径」、「夢のあとに」、など馴染みのある曲が続きます。
すっかり、お二人の世界に引き込まれて行きました。
11月のコンサートでとても強く印象に残ったのが、寺山修司の詩に、
高橋さんの友人の、作曲家で指揮者でチャンバロ奏者という多才な、ねもとたくやさんという方が
曲をつけた歌でした。
今回も、寺山修司の「猫」という3部作の詩に、ねもとたくやさんが作曲をした歌が
歌われました。
短い詩なのに、不思議な世界・・・寺山ワールドが、目の前に展開されてくる・・・。
ありありと、その詩に描かれた光景が浮かんでくるのです。
高橋美千子さんと寺山修司の魂が一体になって、空間を埋め尽くしているみたいです。
胸が熱くなりました。
紙の上で読んでいるのとは違った、寺山修司の詩。
言葉がまるで生き物のように舞っている、そう感じられたのです。
ヴォーカルが少し休んでいる時間に、リュートの独奏がある・・・と思っていたら、
金子浩さんは、突然、ウクレレを出して演奏を始めました。
曲はリュートのものです。
年老いても、寝ながらも弾けるのはウクレレと言う話しに、なるほど・・・。
趣味でヴァイオリンを弾く私には、考えさせられる話です。
飄々とした風貌とお話しに、静けさと奥行きのある演奏。
なんとも魅力のある方なのです。
「きよしこの夜」やシューベルトのアヴェ・マリアが歌われて、
すっかりクリスマスの気分が盛り上がっていきます。
最後は、吉田美奈子さんの曲、「星の海」。
沢山の大変なことがあった今年、日本の祈りの曲と思っていると高橋さんが紹介して歌われた、
締めくくりにふさわしい、レクイエム。
満天の星が目に浮かびます。
涙が溢れてしまいました。
美しいものは、歌も詩も曲も、古びない。
永遠のいのちを持っている・・・。永遠の時刻の中で、生き続けていくのでしょう。
演奏者のお二人、ひねもすのたりの方々、素晴らしいひと時を、ありがとうございました。
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