今年も、「アンジャリ」・・・
在日ベンガルの方たちの主催するドゥルガー・プージャで、
参加者に配られる雑誌に載せていただく、旅行記を書きました。
雑誌の編集人は、友人のMさん一家。
Mさんはベンガル・・・東インドの人で、日本に来て10年以上たち、
日本語がとても達者な女性です。
一昨年、頼まれてこの雑誌のために旅行記を書いて以来、今回で3回目となりました。
以前、3ヶ月ほど滞在したインド・リシケシの思い出を何か書いて、
と言われていたのですが、いざ書き出すと、今年の年明けに行ったコルカタの
サーラダマトのことを、無性に書きたくなりました。
サーラダマトは、ラーマクリシュナの霊性の伴侶である、
ホーリーマザーをまつる尼僧院です。
ラーマクリシュナが住んでいたドッキネッショルの近く、
サイクルリキシャでわずか10分ほどの住宅街にあります。
ここには1泊2日の滞在を、日を開けて2回しました。
一度行くと、もう帰りたくない、そんな気持ちになる場所で、
何がそのようにさせるのか、いまだわかりません。
広い敷地の中央に、ベルルマトを小さくした同じ形の寺院があって、
周囲には花が沢山咲いていました。
尼僧が住む棟や、事務室、小さなゲストハウスが点在しています。
ゲストルームは、これ以上簡素にはならないと思うほど質素で小さいのですが、
ここに入ると、すべての重荷を下した気持ちになりました。
ここの滞在記を書くうちに、
わたしの胸を去来するものがありました。
ここを訪問して滞在するように勧めてくれた人のことが、
自然と思い出されました。
主に滞在していたベルルマトはガンガーを挟んで対岸にあるため、
このサーラダマトは訪問するだけでいいと言ったわたしに、
是非泊まるよう言ってくださって、その通りにして良かったと思ったのです。
3ページにわたる文章を書き終わると、この旅のあとにあった
長い間の苦しい気持ちが、洗い流されていることに気づきました。
また、霊性の修行をするには、わたしは自分の思いに執着が強すぎるのではないか?
そんな疑問が湧いていました。
最初に一人リシケシを訪れた頃は、インド哲学を学ぶことが面白く、
また、様々な誘導瞑想なども興味があって、何でも吸収していたのです。
それが、霊性の道を進むことだと思っていました。
でも、今は本の知識や技法ではなく、何か大事なものを感じ始めているのです。